2005年7月24日

ロンドンでおととい警察官の職務質問を振り切って逃走し、地下鉄の駅で私服警察官に射殺された男は、ブラジル人で同時テロとは無関係だったことがわかり、警察は謝罪しました。2週間前の爆弾テロの直前に出国し、エジプトで逮捕された化学の教師も、テロ組織とは関連がなかったことがわかり、釈放されています。

ヨーロッパ初の自爆テロという異常な事態に、捜査当局も過剰反応していることが伺われます。米国との特別な関係を重視し、ブッシュ政権を全面的に後押しする道を選んだブレア政権ですが、いよいよ無差別テロリストとの戦いに本格的に巻き込まれ始めたようです。

ロンドンや米国で警察官の職務質問を受けたら、逃げずにきちんと答えたほうが良さそうです。現在のように捜査員がピリピリしている時に、職務質問を振り切るのは、ちょっと危険だと思います。捜査員も自爆テロで死ぬのはいやでしょうから。

またやはり同時多発テロで、90人近い死者が出たエジプトのアラム・エル・シェイクは、ドイツ人などヨーロッパの観光客に大変人気のあるリゾート地だったので、無差別殺人はヨーロッパ人たちに強い衝撃を与えています。

またこの地はクリントンやブッシュが中東和平の道筋をつけるために、イスラエルとパレスチナの首脳を集めて会議を開いた場所としても知られており、そうした場所に大規模なテロ攻撃をしかけることによって、政治的な筆跡を残そうとしたものと考えられます。

こうした政治的メッセージから、このテロも、アル・カイダの息のかかったグループによるものと推測できます。


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昨日はMr and Mrs Smithを観ました。こんな映画に1億ドルもの制作費がかかったとは・・・・・。

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先日、愛読紙であるFAZの文芸欄に、シチリアを舞台にした、イタリアの女性作家による小説が紹介されていました。その記事に、シチリアの荒れた豪邸のテラスから、椰子の木の陰に、アグリジェントのギリシャ神殿の遺跡が小さく見える写真が添えられていました。摂氏40度の空気と、カレーを思わせる香草の匂いを脳裏に呼び戻すような、すばらしい写真です。シチリアの暗い運命と歴史、壮麗さを象徴するような、この写真を見るだけでも、この新聞を一読する価値はあると思いました。

日本には、このように想像力をかきたててくれるような、写真や記事を載せてくれる日刊紙は、残念ながらありません。いったい何故でしょうか。